こんばんは!夜景写真家で台湾夜景コンシェルジュの中村勇太です。みなさんはどこで年越しを過ごしますか?私は前回の年越しは台湾で過ごしていました。目当ては台北で毎年実施されているカウントダウンイベント「台北最High新年城」です。台北最High新年城では、ミュージシャンによるライブやステージパフォーマンスが行われ、年越しムードを盛り上げてくれます。中でも毎年注目を集めているのが台北101のカウントダウン花火です。なんと、台北の高層ビルから花火が打ち上がるのです!この光景は、台湾の年越しを象徴する夜景として知られており、私も過去5回取材を行ってきました。台北101は街のいたる場所から見られますが、はじめてカウントダウン花火をご覧になる方はどこから見れば良いのか、そしてどこから撮影すれば良いのか、迷う方もいるはずです。実は、この場所がとても重要なのです。場所選びに失敗すると悲惨な結果に・・・。そこで、今回は台湾夜景のプロである中村勇太が、はじめて台北101カウントダウン花火を鑑賞する方にオススメする鑑賞スポットと撮影のコツをご紹介します!
▲前回の花火打ち上げの様子(2024年1月1日撮影)
台北101のカウントダウン花火は、台湾最大の年越しイベント「台北最High新年城」のメインイベントで、台湾人のみならず、世界中から多くの観光客がこの一大イベントを一目見ように集まってきます。2025年のカウントダウン花火のテーマは「Team Taiwan Champion」。2024年に開催された野球の世界大会「WBSCプレミア12」で台湾チームが歴史的な優勝を果たしたことを記念したテーマです。花火を通じて改めて優勝を祝し、2025年のスタートを祝うにふさわしいものとなっています。 花火の打ち上げはカウントダウン後、年明けとともにスタートし、6分間にわたる壮大なショーが繰り広げられます。台北101から打ち上がる花火と音楽がシンクロした華やかな演出は、まさに圧巻の光景です。
台北101のカウントダウン花火を最大限に楽しむためには、鑑賞スポット選びが重要です。特に今回はじめてカウントダウン花火をご覧になる方にオススメなのは台北市政府周辺のメイン会場です!なぜ台北市政府周辺がオススメなのか?オススメの理由は以下の通りです。
▲前年の会場の様子(2023年12月31日撮影)
「台北最High新年城」の中心地であり、花火だけでなく、カウントダウンライブやパフォーマンスも楽しめます。カウントダウンのアナウンスや花火と連動する音響も近く、イベント全体のエネルギーを肌で感じながら、2025年の幕開けの盛り上がりを体感できます。
▲風向きチェックサイト「Windy」
台北101は市内の東西南北、どの角度からも望めますが花火の鑑賞となると気にしなければいけないのは風向きです。花火打ち上げ中、鑑賞地に向かって風が吹く場合、視界が煙で覆われてしまう可能性が高いです。年末の台北では北東の風が吹くことが多いため、台北101の北側に位置する台北市政府周辺のメイン会場から見ると花火の煙が邪魔になりにくく、クリアな視界で鑑賞が可能です。実際の過去の取材でも、毎回北東の風が吹いていました。この風向きを確認せずに鑑賞すると失敗する可能性があります。普段台北101がよく見える場所だとしても、花火も綺麗に見えるとは限らないことを抑えておいてください。
▲四四南村から撮影した写真
実際に、私が台北101の南西側にある「四四南村」から撮影した際、北東から吹く風で煙が流れてきて、花火が煙に隠れてうまく撮影できなかったことがありました。おすすめの風向きチェックサイトは「Windy」。風向きを確認し、必要に応じて視界が良好なスポットを選びましょう。
私は前回、メイン会場付近の「台北市市民広場」から撮影しました。時間別の会場の様子をご紹介しますので、参考にしてください。
この時間はまだ人も少なく、周辺を自由に見て回れ、場所取りに困ることはありません。私はこの時間帯に三脚をセッティングして、カフェで過ごしていました。
仕事終わりの現地の方や観光客が集まり始め、徐々に混雑してきます。この頃に場所を確保しておくと、良いポジションを取りやすいです。確実に撮影をされたい方は、この時間には三脚のセッティングを完了させましょう。
イベントが近づくにつれ、周辺は大変混雑してきます。メインステージ付近は大勢の観客で埋め尽くされますので、移動が難しくなる時間帯です。
本番間近になると、移動が困難になります。仮設トイレも混雑しますので、早めに済ましましょう。
夜景FANをご覧の方は撮影派の方も多いはずです。失敗しない、台北101カウントダウン花火の撮影の為の必要機材や撮影設定、撮影のコツをご紹介します。
一眼カメラ(バルブ撮影が可能なもの)
広角レンズ(台北101全体と花火を収めるため)
三脚(長時間露光に必須)
リモートレリーズ(シャッターを切る際の手ぶれ防止に役立ちます)
撮影モード:バルブモード
ISO:100~200
絞り:F8~F11
ピント合わせ:マニュアル(台北101に合わせておく)
手ぶれ防止機能:OFF
これらの設定と機材で、夜空に咲く花火を美しく収めましょう!
▲Canon EOS R、CANON EF 16-35 F4 L IS USM、バルブモード、F11、5秒、ISO100
通常の花火と台北101カウントダウン花火の撮影の違いは露光時間の短さです。通常の花火は規模にもよりますが、花火の玉が地上から打ち上げられ夜空で花開くまでを収めると10秒以上露光することも珍しくありません。しかし、台北101の花火はビルから打ち上げられ光の光跡を描くのは短い時間です。そのため、2秒から7秒程度のシャッタースピードとなります。
撮影モードはバルブモードにして、リモートレリーズを使い、台北101から花火が吹き出す瞬間から、伸びきるまで、切り取る様に収めていきます。もし明るすぎる(露出オーバーの)場合は、絞りを絞って明るさを調整しましょう。
カウントダウンイベント当日は、台北市内で大規模な交通規制が実施されます。主に台北101周辺の道路が夕方以降に通行止めとなるため、タクシーでメイン会場には迎えませんので、規制ギリギリの場所で降りて会場に向かうか、台北MRT(地下鉄)など公共交通機関を利用しましょう。
MRTは、イベント当日に限り終夜運行を実施します。特に信義線と板南線が便利で、台北101/世貿駅や市政府駅がメイン会場の最寄り駅です。ただし、混雑が予想されるため早めの移動、できれば夕方までには現地に入るよう心がけてください。
イベント終了後、会場周辺は一斉に帰宅する人々で大混雑します。駅構内や列車内も非常に混み合うため、周辺の駅への入場には規制がかかります。少し時間を置いてから移動するか、宿泊先のホテルまで歩ける距離であれば、歩いて帰った方がスムーズな場合もあります。とにかく、帰りは時間がかかることを覚悟しましょう。
台北101のカウントダウン花火は、台湾ならではの豪快さと華やかさが存分に感じられるイベントであり、新年の幕開けにふさわしい光景です。この記事を参考に、鑑賞や撮影の準備を万全に整え、新年を最高の瞬間で迎えてください。皆さんの年越しが素晴らしい体験になりますように!最後に、前回の花火打ち上げの様子の動画をお届けします。
ライター名 | 夜景写真家 中村勇太 |
プロフィール | 日本夜景オフィス株式会社代表取締役。日本と台湾を取材する夜景写真家。夜景コンサルタント®。夜景情報サイト「夜景FAN」編集長。夜景撮影セミナー講師、ガイド・解説、テレビ・ラジオ番組出演、記事執筆、企画監修等、夜景に関することであれば何でもお任せ下さい。 |
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夜景写真家 中村勇太公式サイト 夜景FAN | 夜景写真家・フォトグラファー 中村勇太 |
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配信日 | 2024年12月30日 14:33 |
更新日 | 2024年12月30日 17:48 |