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【現地レポ】埼玉県初上陸!アートアクアリウム展 さいたまスーパーアリーナ2026 全12エリアをレポート

 金魚泳ぐ水槽作品を光・香・音で演出する没入型エンターテインメントアート「アートアクアリウム」が、埼玉県に初上陸しました。さいたまスーパーアリーナ1階の展示ホールを舞台に、「アートアクアリウム展 さいたまスーパーアリーナ2026」が2026年3月25日(水)より開幕。夜景FAN編集部ではこれまで東京・銀座のアートアクアリウム美術館を取材してきましたが、埼玉での取材は今回が初めてです。さいたま新都心駅から歩いてわずか3分という好アクセスも実感しながら、全12エリアを巡ってきました。

~多彩な金魚の姿を楽しむ~「金魚品評」

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 エントランスを抜けてまず広がるのが、18基の水槽が並ぶ「金魚品評」エリアです。赤い柱が立ち並ぶ薄暗い空間に、丸型の水槽が奥へと続く光景は、展覧会の序章として十分な存在感があります。各水槽は円柱形のガラス鉢に菊やグリーンの花々が敷き詰められ、その上を金魚が優雅に泳ぐ構成。真横から覗くと花と金魚が同じ画角に収まり、真上から見下ろすと花々がリング状に金魚を囲む——角度ひとつで全く別の表情を見せてくれます。江戸時代から伝わる「上見(うわみ)」という鑑賞スタイルで上から眺めると、花の中を泳ぐ金魚の動きがまるで絵巻のように展開します。

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 今回特に気になった4品種をご紹介します。大阪らんちゅうは江戸時代から関西圏で親しまれてきたらんちゅうの原種ともいえる品種で、肉瘤のないつるりとした頭部と水平に広がる尾びれが特徴。戦後に一度絶滅しかけましたが、愛好家の手で復元された希少な金魚です。

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 水泡眼(スイホウガン)は目の下にリンパ液を含む風船状の水泡を持つ中国由来の品種で「バブルアイ」とも呼ばれます。

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 ピンポンパールは真珠のように輝く鱗とまんまるな体型が愛らしく、「珍珠鱗(ちんしゅりん)」とも。

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 青文魚(セイブンギョ)はオランダ獅子頭に近い体型に独特の墨色〜銀色の体色が渋さを醸し出します。成長とともに退色し「羽衣」「白鳳」と呼び名が変わるのも面白い品種です。

~せせらぎの音に癒される~「金魚の滝 金魚の石灯籠」

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 石灯籠をモチーフにした作品と、重層的に連なる「金魚の滝」が織りなすエリアです。灯籠の火袋部分をよく見ると、そこはガラス張りの小さな水槽。光をまとった空間の中で金魚がひっそりと泳ぐ様子は、まるで灯火が生き物のようにゆらめいているかのようで、思わず顔を近づけてしまいます。背後に広がる光の粒がボケとなって幻想感をさらに高めています。

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 そして圧巻なのが「金魚の滝」。変化するカラーの照明に染まった大型の透明水槽が連なり、赤と白の金魚が水流に乗って空中を舞うように泳いでいます。水槽の外から見ると金魚たちが層を成して流れ落ちるような構図になっており、「滝」という名がまさに言い得て妙だと感じました。

~無限に広がる幻想灯~「うつし金魚の間」

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 今回の展覧会で初めてお披露目となる新作エリア。暗闇の中に足を踏み入れると、格子状の帯を巻いた球体水槽、手毬をモチーフにした作品が輝きながら迎えてくれます。その周囲には行燈をかたどったアンバー色の光の箱がいくつも並び、空間に奥行きと色彩のリズムを生み出しています。床面への反射も美しく、光の世界が足元にまで広がるようです。アロマの香りを相まって、写真では伝えられないこの香りの良さが、個人的に印象に残った体験のひとつでした。

~多彩な花と金魚の饗演~「花舞」「金魚の水琴」「九谷五彩金魚」

 花と金魚が競演する3つの作品が並ぶエリアです。

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 「花舞」は文字どおり、花で空間を埋め尽くすエリアです。天井から造花が滝のように垂れ下がり、その下に色とりどりに発光する花瓶が台座の上に並んでいます。それぞれの花瓶が異なる色で輝きます。

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 「金魚の水琴」は上から見下ろすのがおすすめです。丸い水槽の中央に細い水流が注がれ、水面に静かな波紋が広がります。鮮やかな花が器を埋め尽くす中、赤い金魚がゆったりと泳ぐ様子は、まるで活けた花の中に命が宿ったよう。水琴の名のとおり、水音さえ聴こえてきそうな静寂感がありました。

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 「九谷五彩金魚」は縦長の円柱型花瓶に色鮮やかな花々の中を金魚金魚が泳ぐ作品です。鮮やかな花が水中で艶やかに映え、そのなかを金魚が静かに泳ぐ姿はまるで一輪挿しの中に命が宿ったよう。九谷焼の絢爛な色彩世界を水槽アートとして昇華させた作品です。

~金魚の世界を幻想的に見る~「ギヤマンリウム」

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 江戸時代にガラスやダイヤモンドなどキラキラ輝くものを指した「ギヤマン」の名を冠したエリア。段を重ねた円柱型のガラス水槽が光に染まり、無数の赤い金魚と水草が層を成して揺れています。ガラス越しに見ると魚の群れが多重に重なって見え、まるで宝石箱の内側から光が溢れ出るような印象です。斜め下から見上げる角度で撮ると、金魚たちが空を泳いでいるかのような一枚が狙えます。

~多彩な個性をアートギャラリーのように~「金魚コレクション」

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 アートギャラリーで1点の絵画を鑑賞するような、静かで集中した見方が自然と促されます。床面に映る淡い反射が水槽を宙に浮かせているように見せており、撮影するなら正面からまっすぐ構えるだけで絵になる一枚が撮れます。

~没入のアートアクアリウム小道~「提灯リウム」

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 金魚泳ぐ水槽を提灯に見立てた没入エリア。中でも目を引いたのが、赤漆塗りの屋根と飾り板を持つ提灯型の水槽オブジェです。球体ガラスの底には赤い玉砂利が敷き詰められ、金魚がまるで寄り添うように向かい合って泳いでいました。その可愛らしさに、思わず足が止まります。背後に竹の葉が揺れ、琥珀色の光が全体を包むことで、夏祭りの夜店の記憶がふと蘇るような、懐かしくも幻想的な空間になっています。

~華道とのコラボレーション~「フラワーリウム」

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 華道家・假屋崎省吾氏とのコラボレーション作品。中央の花瓶を起点に、白・黄・ピンク・紫と色鮮やかな花々がそれぞれ異なる光を放ちながら咲き誇り、まるで假屋崎氏の世界観をそのまま切り取ったような華やかさです。

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 金魚と花という異なる「美」が同じ空間で共存する、アートアクアリウムならではのエリアです。

~自然に広がる美しさと金魚の融合~「ロータスリウム 金魚の竹林」

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 会場の奥に進むと、ひときわ存在感を放つ巨大な蓮のオブジェが視界に飛び込んできます。透明なアクリルで造られた幾重もの花弁が紫の光を受けて内側から輝き、その中心部には金魚が泳ぐ水槽が仕込まれています。周囲には縦型の円柱が等間隔に立ち並び、竹林の静寂を水中で表現。床面への反射がその奥行きをさらに引き出しており、正面から眺めると左右対称の完璧な構図が広がります。蓮・竹・金魚という日本の自然美を一堂に集めたエリアと言えるでしょう。

~絢爛豪華な巨大金魚鉢~「超花魁 九谷金魚品評」

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 会場随一の存在感を誇るエリアです。部屋全体が深紅とパープルに染まる中、八角形の巨大水槽「超花魁」が中央に鎮座しています。

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 九谷金魚品評の水盤を近くから覗くと、また別の美しさがあります。水草がまるで盆栽のように横へ横へと枝を広げ、その合間を橙色の金魚が静かに泳いでいます。絢爛な「超花魁」と、静謐な水盤の対比がこのエリアをより豊かなものにしています。

~日本の伝統美と四季を感じる~「水鏡絵巻」

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 今回初お披露目となる新作エリア。最大の特徴は、水槽の手前に広がる浅い水盤です。石が敷かれた水面が鏡のようになり、背後の映像をそのまま映し出します。紅葉が燃えるように広がる秋の情景、無数の天灯が夜空へと舞い上がる幻想的な光景、そして都市の夜景——映し出される場面は移ろいながら、金魚たちがその世界の中をゆったりと泳ぎ続けます。

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 特に印象的だったのは、水盤の反射と映像が完全に重なる光景です。紅葉の赤が水面に溶け込み、東京駅の夜景が石敷きの水底に広がる——その一枚は、ここが絵画の中なのか、境界線を曖昧にするほどの美しさでした。低い位置から水面と平行に構えるだけで、誰でもドラマティックな一枚が撮れるエリアです。さらに埼玉県で生まれた"ヒレナガニシキゴイ"も泳いでおり、この会場ならではの地元とのつながりも感じられます。

~アートアクアリウムが表現する日本美術~「風神雷神」

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 今回の展覧会で初登場となる新作エリア。手前の風神は、青緑に輝く髪と鬼気迫る表情が暗闇に浮かぶさまは息をのむほど。俵屋宗達の名画を思わせながらも、ネオンのような発色が現代的な緊張感を加えています。

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 奥には、水槽が黄緑色に輝き、その背後の壁面に雷神が暖色の光で浮かび上がります。赤と白の金魚が幾何学的なガラスの面越しに泳ぐ様子は、躍動感ある雷神の姿と不思議なほど呼応しています。
 「風」と「雷」——日本美術の象徴的な二神が、アートアクアリウムの文脈で新たな命を吹き込まれた、見応えたっぷりのエリアです。

撮影派の方へ:おすすめカメラ設定

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 会場内は全エリアが暗所のため、カメラ設定にひと工夫が必要です。近景で泳ぐ金魚をブレなく捉えるにはシャッタースピードを1/200秒以上の速めに設定するのがおすすめ。また、ピント合わせはガラス面ではなく金魚そのものに合わせるのがポイントです。水鏡絵巻エリアでは水面と平行に低く構えると、映像と反射が重なるドラマティックな一枚が狙えます。

取材を終えて

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 今回の取材を通じて、さいたま展が単なる"出張版"ではなく、埼玉初上陸にふさわしい新作・特別展示を揃えた充実の内容であることを改めて実感しました。「うつし金魚の間」「水鏡絵巻」「風神雷神」といった今回限りの初お披露目作品、埼玉生まれのヒレナガニシキゴイの登場、さいたま市とのコラボ演出など、この場所でしか味わえない要素がいくつもあります。
 銀座のアートアクアリウム美術館をご覧になった方でも、十分に新鮮な感動を味わえる内容です。さいたま新都心駅から徒歩3分という好アクセスも、気軽に足を運べる大きなポイント。会期は2026年5月10日(日)までです。ぜひ現地でその幻想の世界を体感してみてください。

イベント概要

イベント名 アートアクアリウム展 さいたまスーパーアリーナ2026
会場 さいたまスーパーアリーナ 1階 展示ホール
埼玉県さいたま市中央区新都心8番地
開催期間 2026年3月25日(水)~5月10日(日)
開館時間 10:00~18:00(最終入場 17:00)
料金 一般 WEBチケット2,200円・当日券2,400円
学生 WEBチケット1,800円・当日券1,800円
※有料入場者1名につき小学生以下2名まで同伴入場可
アクセス JR「さいたま新都心駅」より徒歩約3分
(JR京浜東北線・JR上野東京ライン)
主催 アートアクアリウム展 さいたま2026実行委員会
公式サイト 公式サイトはこちら
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ライター情報

ライター名 夜景写真家 中村勇太
プロフィール 日本夜景オフィス株式会社代表取締役。日本と台湾を取材する夜景写真家。夜景コンサルタント®。夜景情報サイト「夜景FAN」編集長。夜景撮影セミナー講師、ガイド・解説、テレビ・ラジオ番組出演、記事執筆、企画監修等、夜景に関することであれば何でもお任せ下さい。
ライターWebサイト 夜景写真家 中村勇太公式サイト
夜景FAN | 夜景写真家・フォトグラファー 中村勇太
SNSアカウント

X(Twitter): @yakeifan_naka

Instagram: yakeifan_nakamura

配信情報

配信日 2026年04月14日 18:02
更新日 2026年04月14日 21:05

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