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夜景写真家が教えるスマホ夜景撮影のコツ・撮り方・写真比較・アプリ・オススメのスマホを解説!

スマホで夜景は撮れる?

 こんばんは!夜景写真家中村勇太です。夜景スポットやイルミネーションへ訪れたら夜景の写真を撮りたくなりますよね。最近では一眼レフカメラよりも手軽なスマホで撮影したいという方も増えています。私が担当するセミナーや撮影イベントでも「スマホで撮影するコツを教えて欲しい」という声をよくいただきます。「スマホで夜景は撮影可能か?」という質問に関しては数年前までは「難しい」という返答をせざるを得ない状況でした。
 しかし、ここ数年のスマホカメラの性能の成長はめざましく、コツを押さえ、スマホ選びを適切に行えばスマホでも夜景撮影は可能な状況となりました。現在では、セミナーや撮影イベントでもスマホカメラでの夜景撮影レクチャーも行う機会も増えました。実は私自身も普段の夜景撮影でスマホカメラでの撮影も取り入れています。今回は、夜景写真家中村勇太がスマホでの夜景撮影のコツや夜景撮影にもオススメのスマホをご紹介いたします!

スマホ夜景撮影のメリット

手軽に夜景撮影が行える

 スマホ夜景撮影の最大のメリットは手軽さでしょう。美しい夜景やイルミネーションを見つけたらポケットからスマホを取り出してすぐに撮影することができます。「撮りたい!」と思ったときのシャッターシャンスを逃しません。
 また、ほとんどのスマホに夜景撮影モード(ナイトモード)が搭載されており、このモードに切り替えることで瞬時に夜景撮影に最適な設定になってしまうのです。夜景撮影初心者にとっては嬉しい機能ですね。

三脚が不要

 スマホカメラは夜景のシーンでも手持ち撮影を想定して設計されているため手持ち撮影でもブレることはありません。
 ただし、一眼レフカメラの様にマニュアルモードでシャッタースピードやISO感度を自分で設定する場合は三脚が必要になる場合があります。

SNSのアップが容易

 SNSに夜景写真をアップする場合、一眼レフで撮影した写真はカードからメモリーカードを取り出して、パソコンに差し込んで、写真をパソコンにコピーして・・・という様に作業工程が多いんです。
 スマホだとどうでしょう。InstagramやTwitterなどのSNSアプリを立ち上げて、スマホ内の夜景写真を選択すればすぐにアップできます。

スマホ夜景撮影のデメリット

遠景の夜景が苦手

 スマホカメラでの夜景撮影はイルミネーションや建物のライトアップ、街中の夜景など、被写体や光源が近い夜景の方が得意です。山や丘の上から俯瞰して撮影するような夜景は街や光源が粗くなりがちです。

望遠での撮影が苦手

 最近のスマホには標準、望遠、広角など複数のレンズを搭載した機種も増えています。このような構成の場合、標準レンズでの撮影がもっともパフォーマンスが良いことが多いです。また、ズーム機能を使う場合、デジタル処理で拡大するため写真が著しく低下することもあるため注意が必要です。

細かい調整まではできない

 最近のスマホのカメラは一眼レフカメラの様にマニュアルモードがありISO感度やシャッタースピードを固定することができます。ただし、設定範囲には限度があります。
 例えばピントを細かく合わせるためのマニュアルフォーカス。スマホの場合はほとんどオートフォーカスのみです。ただ、オートフォーカス機能も性能が上がっており、細部をシャープにする処理も働くためあまり気にしなくても良い点かもしれません。

スマホカメラで夜景写真を撮影するコツ

夜景撮影モード(ナイトモード)を活用する

 スマホでの夜景撮影では夜景撮影モード(ナイトモード)を活用しましょう。このモードに切り替えると自動的に夜景撮影に最適な設定で撮影することができます。さらに、暗い部分を明るく、明るすぎる部分を最適な明るさに調整する機能が働き、全体的にバランスが取れた夜景写真に仕上げることができます。
 ただし気をつけなければならない点もあります。機種によっては処理により明るくなりすぎてしまう場合もあるため、必要に応じて露出を下げて撮影するなど工夫が必要をしてください。

セルフタイマーを活用する

 スマホのカメラは手持ち撮影を前提とした設計のため、マニュアルモードにしてシャッタースピードを下げるなどの設定をしていなければブレることがほとんどありません。それでも夜景撮影など暗いシーンでは、日中よりもシャッタースピードが落ちるため撮影時はなるべくスマホを動かないようにしたいです。撮影時に画面をタップする際に、意外とスマホが上下に動くのでセルフタイマー機能を活用するといいでしょう。セルフタイマーは10秒だと長いため、2秒~3秒を選択しましょう。この数秒手間をかけるかどうかで夜景写真の仕上がりに差が出る可能性があります。

なるべく固定する

 スマホカメラでの撮影でも日中よりシャッタースピードが落ちるのでなるべく固定してください。また、夜景撮影モードでは一回の撮影で自動的に露出が異なる設定で数枚撮影して合成させるような処理が働く場合があり動かしてしまうとシャープさに欠けてしまう場合があります。「固定するなら三脚が必要か?」とお尋ねいただきますが、三脚まで用意する必要はありません。スマホ撮影の魅力は「手軽さ」です。三脚まで持ち出すとスマホ撮影のメリットが薄まります。
 ここで言う固定とは、手持ちでもしっかり脇を閉めて両手でスマホを持ち撮影するということです。夜景撮影モードで撮影中、画面上に「処理中」「動かさないように」という様なメッセージが表示される場合もあります。しっかり処理が終わるまでスマホをなるべく動かさないように持ってください。

標準画角で撮影する

 スマホのカメラにはズーム機能が搭載されており、遠くの被写体を大きく撮影することができます。ただスマホのズーム機能はオススメできません。ほとんどの場合、デジタルズームというデジタル処理によって拡大しているため画質が粗くなります。特に夜景撮影では画質の低下が顕著に表れます。夜景撮影ではズーム機能は使わないようにしましょう。
 最近のスマホには標準、望遠、広角の3レンズを搭載したトリプルレンズのスマホも増えてきています。このような構成でも、標準レンズがもっとも画質がよい場合が多いです。基本的には標準の画角で撮影するといいでしょう。

思い切って視点を変えて撮影する

リフレクション・映り込みを意識する

オススメのスマホ

夜景撮影を目的としたスマホの選び方のコツ

 一眼レフのボディやレンズを購入する際は、ISO感度やF値(開放値)、焦点距離、サイズ、価格などが選定ポイントになるかと思います。スマホを選ぶ際もこれらの性能が選定のポイントとなりますが、スマホカメラの場合は撮影時のデジタル処理に頼っている部も多く、製品の仕様表だけでは撮影性能の判断が難しいです。その為、メーカーが公表している夜景撮影の作例やユーザーがSNSやブログで投稿している作例を参考にすることをオススメします。ほとんどのスマホに夜景撮影モード(ナイトモード)が搭載されていますが、機種によって性能に差があり、ノイズや細部のシャープさなどしっかり作例も見比べてみましょう。

夜景写真家中村勇太が愛用するGalaxy S10

 中村勇太が現在夜景撮影でメインで使っているスマホはGalaxy S10です。日本では2019年5月に発売された、同シリーズのハイエンド機種です。GalaxyはすでにS20シリーズが登場しておりS20の方が夜景撮影時の処理性能がアップしていますが、現在でもS10で撮影する夜景写真の画質に満足しています。S10のポイントをご紹介します。

ポイント1.高い処理性能

ポイント2.レスポンスの良さ

スマホ夜景撮影の作例

Galaxy S10

台北の夜景 自由広場

台北 自由広場門をリフレクション撮影
撮影設定

撮影モード:ナイト、絞り:F2.2、シャッタースピード1/6、ISO感度320、ホワイトバランス:オート、フラッシュ:OFF、セルフタイマー:ON

横浜みなとみらいの夜景 汽車道

横浜みなとみらいの夜景 汽車道
撮影設定

撮影モード:ナイト、絞り:F1.5、シャッタースピード1/2、ISO感度160、ホワイトバランス:オート、フラッシュ:OFF、セルフタイマー:ON

海老名の夜景 七重の塔

海老名の夜景 七重の塔
撮影設定

撮影モード:ナイト、絞り:F1.5、シャッタースピード1/8、ISO感度100、ホワイトバランス:オート、フラッシュ:OFF、セルフタイマー:ON

動画で紹介するスマホ夜景撮影テクニック

最後に

 スマホカメラでの夜景撮影のメリットやデメリット、撮影のコツなどをご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?スマホをしっかり選び、スマホでの夜景撮影のコツを押さえることで手軽に綺麗な夜景写真を撮ることができ、夜景スポットに行くのが楽しくなり、より夜景を身近に感じる事ができるはずです。同じ夜景スポットに訪れても、天候や曜日によって夜景は変化しているため、同じ夜景を見ることはできず撮り直しはできません。スマホはそのシャッターチャンスを逃さないツールです。是非自分に合うスマホを見つけて夜景撮影を手軽に楽しんでください!

ライター情報

ライター名 夜景写真家 中村勇太
ライターWebサイト夜景写真家 中村勇太公式サイト
SNSアカウントTwitter:@yakeifan_naka

配信情報

配信日 2022年01月17日 10:17
更新日 2024年01月27日 01:42

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