2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症の拡大により未だに海外渡航が難しい日々が続いております。2022年3月2日現在、日本から台湾への観光目的での渡航は規制されています。ただ、ビジネス目的での入国は2022年3月7日より再開されることが台湾の中央感染症指揮センターより発表されました。ビジネス目的の場合でも、入国後隔離期間が設けられており、台湾政府が指定した隔離ホテル(防疫ホテル)で過ごす必要があります。
私は2021年12月に台湾へ入国し、隔離ホテルで指定の隔離期間を過ごしました。ここでは、私が実際に隔離ホテルで過ごした生活の様子や食事、隔離ホテルの費用などをご紹介いたします。隔離環境や食事は隔離ホテルによって異なりますので、あくまで1例としてご覧頂ければと思います。
台湾入国後は定められた隔離期間を隔離ホテルで過ごす必要があります。私は2021年12月は隔離期間は14日でした。入国日は隔離期間に含めない為、入国後15日目で隔離期間が終了しました。
2022年3月7日より隔離期間が10日間に短縮されました。さらに、2022年5月9日から隔離期間が7日間に短縮されました。
台湾入国後の隔離ホテルは自身で予約する必要があります。隔離ホテルは台湾政府が認めているところに限られており、普段日本人に馴染みのあるホテル予約サイトでは扱われていませんでした。これは中国語に馴染みのない方にとってはややハードルが高いかもしれません。私が隔離ホテルの予約で利用したのは「AsiaYo」というサイトです。このサイトは日本語対応はしておりませんが、英語への切り替えができます。また、隔離対応ホテルのみをピックアップして紹介してくれるのでホテルを探しやすかったです。ホテルの客室によって、外国人の受け入れ不可の場合もあるので予約時はページに記載されている注意事項をよく確認してください。
台湾入国後に滞在する隔離ホテルの宿泊費は自己負担となります。私が滞在したのは台北市内にあるKホテル台北松江(柯達大飯店台北松江)です。2週間の滞在でNT$72,000。日本円で約30万円です。1泊あたり約2万なので決して安い金額ではありません。ただ、ホテル側も防疫用の特別対応もあり宿泊者の扱いは通常よりも負担がかかっているためやむを得ないでしょう。
空港に到着後、預けた荷物を受け取った新型コロナウイルスの後抗原検査を行います。検査終了後にホテルに向かいますが、電車やバスなど公共交通機関は利用できません。ホテルまでの移動は、防疫専用のタクシーを利用します。これは事前予約は不要です。空港の出口に防疫専用タクシー乗り場があるので向かいましょう。受付を行いホテルの場所を伝えてホテルに向かいます。私が宿泊したホテルは入る際に通常の出入り口ではなく地下の通用口に案内されました。防護服を着たスタッフにより全身消毒が行われ、体温を測り問題ないことが確認されたら客室まで案内されます。
今回宿泊をしたKホテル台北松江の部屋の様子をご紹介します。部屋の広さは33m²のデラックス キングルームです。1人で滞在するには広すぎる印象ですが、約2週間の滞在となるのでこれぐらい広いと快適です。180cm x 200cmの大きなベッドの横にはソファーがあります。軽く休憩したい時にこのソファーが役立ちました。
ベッドの向かい側には壁掛け式の大きなテレビが設置されています。NHKを視聴することができ、日本にいるときと同じ感覚でニュース番組から情報を入手することができました。
隔離期間中は当然部屋から1歩も出ることは許されません。そこで重要なのが窓の有無です。台湾のホテルでは窓無しの部屋も多く存在します。隔離期間中2週間も外の様子が分からない、また陽を浴びることができないのは非常に辛いです。今回滞在した部屋の窓は広く、室内を明るく照らしてくれました。
窓の外の景色を眺めるのは、隔離期間中の楽しみの1つでもあります。景色が見える方向は変わりませんが、朝から夜にかけて変化する街の様子を感じることができます。私は仕事の合間によく外の景色を眺めており気分転換になりました。
台湾では入浴の際に浴槽に入る文化がないため、ホテルでも浴槽なしの部屋が多いです。日本人は年間を通して浴槽に入るため、この浴槽の有無も重要です。特にリフレッシュ方法が限られる部屋の中では浴槽の存在が大きいです。
唯一やや面倒と感じたのが洗濯です。普段なら洗濯機で行う洗濯ですが、隔離ホテルでは自身で手洗いで洗濯をすることがほとんどです。洗剤などは部屋に用意されていました。
洗濯後は洗面所に干しました。洗面所は換気扇がまわっており、早めに洗濯して干せば翌日の朝には乾いていました。
デスクにはコンセントの他、テレビへの入力端子やLANポートが用意されていました。無線LANも使えますが、有線LANの方が速度が速く通信も安定していました。LANポートが備えられている部屋であれば、LANケーブルを持参して活用することをオススメします。
私が宿泊したホテルでは朝昼晩、毎食食事が届きました。外出が出来ないため、他のホテルでも同様の対応がほとんどです。実際に隔離ホテルで滞在中に食べた食事をご紹介します。
2週間の隔離生活はほとんどの方にとって長いという印象を持たれるかと思います。私も隔離生活が始まるまではそのように感じていました。しかし、実際に隔離生活が始まるとあっという間に時間が過ぎていきました。幸いにも私の仕事がパソコンさえあればどこでもできる業務のため、2週間集中して仕事に取り組むことができました。また、提供される食事には台湾グルメも含まれており、隔離生活をしながら台湾グルメを楽しむこともできました。
ホテルのスタッフの方の配慮も素晴らしく、最終日にはメッセージ入りのドリンクを届けてくれました。隔離期間や費用負担などのハードルはありますが、このような隔離生活は一生に一度経験するかどうかの環境で、良い経験になったと感じています。これから様々な事情で隔離生活を経験される方もいるかと思いますが是非楽しんで過ごしていただければと思います。
ライター名 | 夜景写真家 中村勇太 |
プロフィール | 日本夜景オフィス株式会社代表取締役。日本と台湾を取材する夜景写真家。夜景コンサルタント®。夜景情報サイト「夜景FAN」編集長。夜景撮影セミナー講師、ガイド・解説、テレビ・ラジオ番組出演、記事執筆、企画監修等、夜景に関することであれば何でもお任せ下さい。 |
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夜景写真家 中村勇太公式サイト 夜景FAN | 夜景写真家・フォトグラファー 中村勇太 |
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配信日 | 2022年03月03日 14:00 |
更新日 | 2022年05月23日 22:01 |