銀座の人気スポット「アートアクアリウム美術館 GINZA」で、秋の企画展「金魚泳ぐ幻想秋夜2025」がスタートしました。開催期間は2025年10月1日(水)から11月26日(水)。改装後初めての秋を迎える今回は、紅葉やイチョウ、彼岸花が館内を彩り、金魚たちが舞う幻想空間をさらに艶やかに引き立てます。早速、取材に行ってきましたので、「アートアクアリウム美術館 GINZA」ならではの秋の世界の様子をご紹介していきます。
入場して最初に迎えてくれるのは「手毬リウム」。壁一面に飾られた十八の手毬型水槽が、闇の中で鮮やかに浮かび上がります。懐かしい日本の伝統模様と光に照らされた金魚の舞の中に現代アートのきらめきが融合し、入口から来場者を幻想的な世界へと引き込みます。
「石庭」を金魚が泳ぐ水の塊で表現した新作。波のように流れる竹のインスタレーションと、金魚が泳ぐ水槽が融合し、静寂と流動が同居する空間が広がります。水の流れに吸い込まれるような、不思議な感覚を覚えます。
作品に近づいて覗き込むと、透明な立方体の水槽の中で金魚が優雅に泳ぎ、光を受けて輝きます。水槽のカット面に光が反射し、色の移ろいも楽しめます。全体の雄大さとは対照的に、繊細で可憐な美しさに心を奪われます。
色とりどりの金魚が水槽内を漂い、紅葉の装飾が華を添えます。金魚の品種ごとの美しさをじっくり鑑賞できる作品で、まさに「芸術の秋」を象徴する展示。
光に透ける紅葉と金魚の組み合わせは、思わず写真に収めたくなる瞬間です。みなさんはどの角度から狙いますか?
代表作「花魁」が進化を遂げた新バージョン。鮮烈なネオンの光に包まれた巨大水槽は、伝統的な艶やかさと近未来的な夜景が融合。
水槽にネオンが映り込み、伝統美とサイバーアートが融合した表現となり、館内のハイライト的存在になっています。
赤く輝くネオンで描かれた金魚のシルエットが並ぶ、スタイリッシュな作品。闇の中に浮かび上がるその姿は、昭和レトロな街の看板を思わせつつも、現代アートのモチーフとして再構築されています。それぞれ表情が異なる姿にご注目ください。
鳥居をイメージした空間に立ち並ぶ円柱型水槽。ライトアップされた水槽の中を金魚が泳ぎ、秋の花・彼岸花が咲き誇ります。空間が真っ赤に染まる瞬間に秋の風情を感じさせてくれます。
参道の先に現れるのは、新作「金魚の湧泉」。華やかで優美な“泉”を表現した空間型の作品です。泉からミラーボールが湧き出るように連なり、コンパクトな中でも広がりを感じます。金魚とミラーボールという意外な組み合わせに改めて驚くとともに、ミラーボールに映る水槽や金魚がさまざまな角度で反射し、視点を変えるたびに新しい光景が生まれるのも魅力です。
滝をイメージした空間は紅葉に染まり、流れる水と赤い金魚が秋色のハーモニーを奏でます。泳ぐ金魚の姿は、まるでひらひらと舞う紅葉の葉にも見えます。
「金魚の滝」の隣では、満月が姿を現します。揺れるススキや舞い散る紅葉の葉が秋の夜長を思わせる風情ある情景をつくり出します。石灯籠の中にも小さな水槽が仕込まれ、月明かりに照らされたように金魚が浮かび上がる瞬間は、まるで水と光で描かれた“中秋の名月”を眺めているかのようです。
寺社建築の回廊をイメージして立ち並ぶ水槽が、まるで列柱のように連なり、果てしなく続いているかのような幻想的な空間を生み出します。水槽の中を優雅に泳ぐ金魚は、光に照らされることで一層の浮遊感をまといます。天井を彩るイチョウの葉が黄金色に輝き、足を踏み入れた瞬間から一気に秋の気配に包まれます。
「アートアクアリウム美術館 GINZA」でお馴染みの「金魚コレクション」も、秋の姿に様変わり。秋の気配を感じつつ、金魚の品種ごとにじっくりと鑑賞できます。
水槽を照らす照明の色が移り変わり、まるで季節や時の流れが刻まれていくかのような趣を感じます。
華道家・假屋崎省吾氏による花の演出「花魁花舞」。天井から咲き誇る花々が水槽を包み込み、金魚と花が織りなす豪華絢爛な世界が広がります。
金魚アートと花の融合は写真映えも抜群で、来場者を一気に華やかな世界へと誘います。水槽に花が美しく映り込むため、撮影時は角度を工夫して狙いたいところです。
順路の最後を飾るのは「天空リウム」。まるで天上に咲き誇る空想の花々を思わせる水槽群が連なり、空間いっぱいに幻想的な光景を描き出します。大小さまざまな花形の水槽が重なり合い、その中を泳ぐ金魚が光に照らされて輝く姿は圧巻です。作品を包み込むように漂う霧が広がり、まるで天空に浮かぶ庭園に迷い込んだかのような没入感を与えてくれます。華やかさと壮大さを兼ね備えたこの作品は、展示のフィナーレにふさわしい圧倒的な存在感を放っています。
「アートアクアリウム美術館 GINZA」の秋企画展「金魚泳ぐ幻想秋夜2025」は、幻想的な金魚アートと秋の彩りが融合した特別なひとときを楽しめる展示でした。改装後初めての秋を迎える館内は、これまで以上に華やかで奥行きある世界観を見せてくれます。芸術の秋にふさわしい「アートアクアリウム美術館 GINZA」ならではの演出を、ぜひ現地で体感してみてはいかがでしょうか。
イベント名 | 金魚泳ぐ幻想秋夜2025 |
会場 | アートアクアリウム美術館GINZA(東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越新館8階 入口は9階) |
開催日程 | 2025年10月1日(水)~11月26日(水) |
料金 | WEBチケット:2,500円 当日券:2,700円(銀座三越新館9階で販売) |
公式・関連サイト | アートアクアリウム美術館 GINZA公式サイト |
ライター名 | 夜景写真家 中村勇太 |
プロフィール | 日本夜景オフィス株式会社代表取締役。日本と台湾を取材する夜景写真家。夜景コンサルタント®。夜景情報サイト「夜景FAN」編集長。夜景撮影セミナー講師、ガイド・解説、テレビ・ラジオ番組出演、記事執筆、企画監修等、夜景に関することであれば何でもお任せ下さい。 |
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夜景写真家 中村勇太公式サイト 夜景FAN | 夜景写真家・フォトグラファー 中村勇太 |
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配信日 | 2025年10月02日 10:00 |
更新日 | 2025年10月02日 10:07 |