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夜景写真家が「Galaxy S24 Ultra」で夜景撮影!工場夜景に花火、月、飛行機の夜間流し撮りも

 こんばんは!夜景写真家中村勇太です。今回ご紹介するのはサムスン電子の最新フラッグシップモデルのスマホ「Galaxy S24 Ultra」。日本では2024年4月11日に発売されました。夜景撮影強いと定評のあるGalaxy。特に「Ultra」シリーズは望遠撮影性能が高く、夜景撮影のシーンでも積極的な活用が期待できます。搭載している4つのアウト(背面)カメラ性能、前モデル「Galaxy S23 Ultra」からの進化ポイント、都市夜景の他、月、花火など様々な撮影シーンの作例等、夜間の撮影性能にフォーカスを当てて解説していきます!

Galaxy S24 Ultraのカメラスペック

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まずGalaxy S24 Ultraを手に取ると質感の良さを感じます。ボディーフレームにチタニウム素材を採用しており、これはシリーズ初。実際に使うとなると多くの方はケースを装着するはずですが、できればこのデザインを活かせるケースを選択したいですね。そしてインパクトがあり目を引くのが背面カメラ。背面には4つのカメラが搭載されています。見た目上、5つの様に見えますが、1つはオートフォーカス用のセンサーです。広角カメラ(メイン)は約2億画素、超広角カメラは約1,200万画素、望遠カメラ(光学3倍)は約1,000万画素、望遠カメラ(光学5倍)は約1,200万画素となっています。

広角カメラ(メイン) 焦点距離 24mm
約2億画素/F1.7
超広角カメラ 焦点距離 13mm
約1,200万画素/F2.2
望遠カメラ①(光学3倍) 焦点距離 70mm
約1,000万画素/F2.4
望遠カメラ②(光学5倍) 焦点距離 111mm
約1,200万画素/F3.4

Galaxy S24 Ultraで撮影する夜景

 各搭載カメラで夜景を撮影してみます。撮影に訪れたのは横浜みなとみらい21地区。色鮮やかな明かりと水面揺らめく明かりが美しい、都会の港街らしい夜景を楽しめるエリアです。クールなオフィスビル群や華やかなブライダル施設、楽しげな明かりを振りまく大観覧車が収まる光景を狙っていきます。

広角(メインカメラ)

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

 標準カメラアプリを立ち上げるとまず起動するのは広角のメインカメラ。夜のシーンで最も高パフォーマンスを発揮できるカメラです。建物と水面がバランス良く見える構図を狙いました。ナイトモードで撮影することで、手持ちでも明るく、建物の細部までシャープに撮影できました。処理によりノイズが目立たず、白飛びや黒つぶれを抑え、ダイナミックレンジが広い仕上がりになりました。そのままSNSに投稿したくなるクオリティーです。

超広角

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

 同じ撮影ポジションで画角を変えて撮影していきます。次は超広角。35mm判換算で13mm相当の画角でかなり広く写せます。Galaxy S24 Ultraの画面上で見る限り、周辺の画質低下も目立ちません。

光学3倍ズーム

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

 次は光学3倍。デジタルズームと違い、望遠カメラに切り替えて焦点距離を切り替えているので、画質を保ちながら撮影できます。建物の細部までシャープです。

光学5倍ズーム

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

 次は光学5倍。パソコンの画面で拡大して見ても細部までシャープに写せており驚きます。

光学相当10倍ズーム

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

 そして10倍ズーム。光学5倍カメラからデジタル2倍での撮影となります。ここまで望遠で撮影しても、ブレが目立たないのは手振れ補正が働いているため。レンズ性能や処理性能の向上により、デジタルズームでも高い画質を保っています。全画角と通じて、夜景のシーンでもブレなく、シャープに、ノイズレスで撮影できることが確認できました。

Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraを比較

 Galaxy S24 Ultraのカメラ性能が前モデルからどれだけ進化したか気になりますよね。「Galaxy S24 Ultra」と2023年に発売された「Galaxy S23 Ultra」のカメラ性能を比較していきます。

広角(メインカメラ)

 Galaxy S24 UltraとGalaxy S23 Ultraともによく撮れています。拡大して確認しても、差は感じませんでした。

Galaxy S24 Ultra▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

Galaxy S23 Ultra▼

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▲Galaxy S23 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

超広角

 超広角でも差は感じませんでした。

Galaxy S24 Ultra▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

Galaxy S23 Ultra▼

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▲Galaxy S23 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

光学3倍ズーム

 光学3倍でも差は感じませんでした。

Galaxy S24 Ultra▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

Galaxy S23 Ultra▼

pic_galaxys24ultra-yakei14hikaku23.jpg

▲Galaxy S23 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

10倍ズーム

 10倍では差が現れました。いずれもシャープに見えますが、Galaxy S24 Ultraの方がノイズレスで撮れました。Exif情報を確認するとGalaxy S24 UltraはISO1250。一方Galaxy S23 UltraではISO4000まで上がっていました。ノイズはこのISO感度の差です。同じ撮影環境ですが、Galaxy S23 UltraではISO4000まで必要と判断した結果です。他の撮影シーンでもこの傾向が確認できました。望遠カメラのF値がGalaxy S23 UltraではF4.9なのに対して、Galaxy S24 UltraではF3.4と明るくなっているのが関係しています。

Galaxy S24 Ultra▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

Galaxy S23 Ultra▼

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▲Galaxy S23 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

ナイトモード

建物のライトアップ(横浜赤レンガ倉庫)

 Galaxyが得意としている夜景撮影のシーンでより本領を発揮できるのが「ナイトモード(夜景撮影モード)」です。暗いシーンをより明るく、明暗差を抑え、ノイズも低減処理してくれます。通常モードでも十分綺麗に撮影できましたが、ナイトモードを活用することで横浜赤レンガ倉庫をより明るく、鮮やかに写せます。手持ちで夜景を明るく撮影する際はISO感度が上がり、ノイズが目立ちがちですが見ての通り、ノイズが目立ちません。

通常▼

pic_galaxys24ultra-yakei16.jpg

▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

ナイトモード▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

工場夜景(川崎)

 工場夜景スポットでナイトモードを活用して撮影します。まずは通常モードで。ノイズが気になったのでExif情報を確認するとISO2500まで上がっていました。配管など細部はシャープに写っています。ゴーストの発生が見られますが、強い光源がフレームインする工場夜景撮影では良くある現象で、この範囲なら私的には許容範囲です。次にナイトモードで撮影。白飛びを極力抑えつつ、全体的に暗部も明るく写せました。このシーンでは、通常モードで撮影した写真は見た目に近く、ナイトモードで撮影した写真は実際よりもだいぶ明るく撮影できました。工場夜景はコントラストが高い被写体で、コントラスト高めで撮影した方が締まった印象です。ナイトモードでは明るく撮影できた分、ゴーストも目立ってしまいました。この工場夜景撮影シーンでは、通常モードの方が適していると思います。

通常▼

pic_galaxys24ultra-yakei18.jpg

▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、通常モード、手持ち撮影

ナイトモード▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影

シーン別夜景撮影

 Galaxy S24 Ultraの高性能なカメラを活用して夜景のシーンを変えて撮影していきました。一見、スマホで撮影が難しそうな月、花火、星空の撮影にチャレンジしました。

 通常モードで撮影すると、露出を下げたとしても月が明るすぎて適正露出で撮れないことが多いです。そこで、標準カメラアプリのプロモードを活用します。プロモードでは、ISO感度やシャッタースピード、ピントを細かく調整できます。望遠カメラで20倍まで上げ、月に寄ります。満月や満月に近い月は明るいため、ISO感度を下げ、シャッタースピードを1/350秒まで上げても撮影できます。このくらい速いシャッタースピードであれば手持ちでも撮影可能です。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、プロモード、ISO50、シャッタースピード1/350秒、手持ち撮影

補正・現像済み▼

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補正内容:トリミング、使用ソフト:Photoshop

花火

 スマホで花火を撮影しても思い通りの写真が撮れなかった経験をされた方は多いはずです。通常モードでは一瞬を切り取る写真となるため、地上から打ち上げられてから、夜空で花開くまでの光の光跡は描けません。ですが、撮影方法を工夫することで撮影できます。撮り方は一眼カメラで花火を撮影する要領とほぼ同じです。Galaxy S24 Ultraを三脚に固定して、撮影モードはプロモードに切り替え。NDフィルターを使用して減光し、10秒露光して撮影しました。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、プロモード、ISO100、シャッタースピード10秒、三脚使用、NDフィルター使用

補正・現像済み▼

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補正内容:光量+、コントラスト+、ハイライト-、シャドウ+、かすみの除去+、トリミング 使用ソフト:Lightroom

遊園地

 夜の遊園地も長時間露光撮影と相性が良いです。光源と動きがある遊具を狙います。三脚に固定して、プロモードに切り替え。NDフィルターを装着して10秒露光。遊具の動きを光跡として表現できました。見た目では感じられない、躍動感と動きある夜景を撮影できるのも長時間露光撮影の魅力で、プロモードを備えたGalaxy S24 Ultraだから撮影できます。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、プロモード、ISO50、シャッタースピード10秒、三脚使用、NDフィルター使用

俯瞰夜景

 最近のスマホカメラは建物のライトアップやイルミネーションなど光源が近い夜景は良く撮れる印象ですが、山や展望台から俯瞰するような光源が遠い夜景は光源がぼやけ不得意な印象です。そんなシーンもGalaxy S24 Ultraでチャレンジ。横浜ランドマークタワーの展望台「スカイガーデン」にて、眼下に広がる夜景をナイトモードで撮影。手前の横浜の街並みはクッキリとシャープに写っています。奥に広がる東京方面の夜景を拡大すると光が潰れているように見えますが、それは粗探しをした場合で、スマホの画面でもPCの画面でもそのまま見た場合は気にならないレベルです。東京タワーと東京スカイツリーも写っています。窓ガラス越しでの撮影の為、映り込みを防ぐ機材として忍者レフスマート(株式会社 よしみカメラ)を使っています。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、ナイトモード、手持ち撮影、忍者レフスマート(株式会社 よしみカメラ)使用

都市夜景長時間露光

 Galaxyのカメラアプリ「Expert RAW」を活用することで、標準カメラアプリのプロモードよりも更に凝った撮影が可能です。Expert RAWには「ND」機能が搭載されており、物理的なNDフィルターを装着しなくても、デジタル処理で減光できます。横浜みなとみらい21地区の万国橋は人気の夜景撮影スポット。ロープウェイのゴンドラと運河を流れる船の光跡を撮影します。ここではNDフィルター「8」を指定して減光。数値は高いほど減光できます。20秒露光してゴンドラと船の光跡を描きました。通常、20秒露光すると白飛びしてしまいますが、「ND」機能を活用することで適正露出を維持しつつ、長時間露光撮影ができ、撮影の幅が広がります。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、Expert RAW、ISO50、シャッタースピード20秒、三脚使用、「ND」機能使用

補正・現像済み▼

pic_galaxys24ultra-yakei33.jpg

補正内容:コントラスト+、ハイライト-、シャドウ+、トリミング 使用ソフト:Lightroom

天体

 星空と富士山を撮影するため河口湖へ。河口湖の夜空一面に広がる星空を広めに入れた構図。プロモードで30秒露光。星が写りましたが、星と富士山を強調するためにLightroomで補正しました。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、プロモード、ISO100、シャッタースピード30秒、三脚使用

補正・現像済み▼

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補正内容:光量+、コントラスト+、ハイライト-、シャドウ+、ホワイトバランス3800、テクスチャ+、明瞭度+、かすみの除去+、使用ソフト:Lightroom

飛行機流し撮り

 飛行機の夜間流し撮り撮影のため羽田空港の展望デッキへ。第一ターミナルから第三ターミナルまで、展望デッキがあり、いずれも飛行機を撮影できます。飛行機流し撮りと言えば、望遠レンズで撮影しますが、「スマホでは撮れっこないでしょ」というイメージですよね。今回はGalaxy S24 Ultraの望遠カメラで挑戦してみました。プロモードでISO感度とシャッタースピードを固定。ピントはオートでは追っていけないので、マニュアルで置きピン。何度も何度も飛行機を追ってシャッターボタンをタップします。飛行機の描写が甘い結果となりましたが、頑張った方ではないでしょうか?夜間流し撮りの光が流れる雰囲気は出せたと思っています。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、標準カメラアプリ、プロモード、ISO800、シャッタースピード1/15秒

補正・現像済み▼

pic_galaxys24ultra-yakei29.jpg

補正内容:光量+、コントラスト+、ハイライト-、シャドウ+、かすみの除去+、シャープ+、使用ソフト:Lightroom

工場夜景

 工場夜景に光跡を加えて撮影。露光時間を確保したいがそのままでは露出オーバーとなるため「Expert RAW」の「ND」機能で減光しました。露光時間は8秒。光跡を描く車がフレームインして、抜けるまでしっかりと捉えました。補正でホワイトバランスを調整してクールな印象に仕上げました。

撮って出し▼

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▲Galaxy S24 Ultra、Expert RAW、ISO50、シャッタースピード8秒、三脚使用、「ND」機能使用

補正・現像済み▼

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補正内容:光量+、コントラスト+、ハイライト-、シャドウ+、ホワイトバランス3500、使用ソフト:Lightroom

 ここまでGalaxy S24 Ultraのカメラ性能についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?Galaxy S24 Ultraのカメラ性能だからこそ、都市夜景をはじめ天体、花火など様々な夜景撮影シーンにチャレンジしたくなる、そんなスマホです。他社からもカメラ性能をウリにしたハイスペックスマホが登場していますが、中でもGalaxy S24 Ultraは間違いなくトップクラスと実感しました。今回は触れませんでしたが、撮影した写真の不要な部分を削除できる「Galaxy AI」やリアルタイム通訳機能、美しいディスプレイ性能などフラッグシップ機ならではの充実した機能が揃っています。「夜景撮影がもっと楽しくなる!」Galaxy S24 Ultraを一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

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ライター情報

ライター名 夜景写真家 中村勇太
プロフィール 日本夜景オフィス株式会社代表取締役。日本と台湾を取材する夜景写真家。夜景コンサルタント®。夜景情報サイト「夜景FAN」編集長。夜景撮影セミナー講師、ガイド・解説、テレビ・ラジオ番組出演、記事執筆、企画監修等、夜景に関することであれば何でもお任せ下さい。
ライターWebサイト 夜景写真家 中村勇太公式サイト
夜景FAN | 夜景写真家・フォトグラファー 中村勇太
SNSアカウント

X(Twitter): @yakeifan_naka

Instagram: yakeifan_nakamura

配信情報

配信日 2024年05月31日 21:40
更新日 2024年05月31日 21:54

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