台湾の街を歩いていると、日本統治時代に建てられた建物に出会うことがあります。台湾には、駅や官庁、病院、商業施設など、当時建てられた建築が現在も数多く残されています。
印象的なのは、こうした建物の多くが単に保存されているだけではないことです。丁寧に修復され、現在も駅や行政機関として使われていたり、博物館や商業施設として新しい役割を与えられていたりと、それぞれの街の風景の一部として大切に受け継がれています。
そして夜になると、ライトアップや周囲の明かりによって、レンガ造りの外壁や塔、窓などが浮かび上がり、昼間とは違った美しさを見せてくれます。夜景FANでは、そんな台湾の夜の風景を、日本人にこそ知ってほしいと考えています。
台湾旅行というと台北や九份を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、日本統治時代の建築を訪ねていくと、新竹、台中、台南など、台北の先にある街にも自然と旅が広がっていきます。今回は、台湾に残る日本統治時代の建築の中から、夜の姿も印象的な10スポットを紹介します。
ライトアップされた中華民国総統府
台北市中正区に建つ中華民国総統府。現在の建物は日本統治時代に台湾総督府として建てられたもので、現在は台湾の総統が執務する総統府として使用されています。
赤と白のコントラストが美しい外観と、高さ約60mの中央塔が特徴。台北中心部に残る日本統治時代の建築の中でも特に存在感があり、100年以上の時を経た現在も台湾を象徴する建物の一つとなっています。
夜になると建物がライトアップされ、赤と白の外壁や中央塔が夜空に浮かび上がります。日本統治時代に建てられた建物が現在も台湾の政治の中心として使われていることを感じられる、今回のテーマを象徴するスポットです。
| 住所 | 台北市中正區重慶南路一段122號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 9:00~12:00 公式サイト要参照 |
| 定休日 | - |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 中華民国総統府(中正区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
赤レンガと白い装飾が浮かび上がる国立台湾大学付設医院旧館
台北市中正区に建つ国立台湾大学付設医院旧館は、日本統治時代に建てられた病院建築です。現在も国立台湾大学付設医院の施設として使われており、歴史ある建物が台北の医療を支え続けています。
赤レンガと白い装飾を組み合わせた華やかな外観が特徴で、アーチ状の窓や丸窓など、細部にも目を引く意匠が見られます。周辺には総統府をはじめ日本統治時代の建物が点在しているため、歴史建築を巡りながら訪れることができます。
夜は建物が光に照らされ、赤レンガと白い装飾のコントラストがより鮮明になります。現在も病院として利用されている建物なので、鑑賞や撮影の際は利用者の妨げにならないよう配慮しましょう。
| 住所 | 台北市中正區常德街1號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 9:00~17:00 屋外からの鑑賞は終日可能 |
| 定休日 | 土曜日、日曜日 |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 国立台湾大学付設医院旧館(中正区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
北投温泉の街に残る新北投駅旧駅舎
台北市北投区にある新北投駅旧駅舎は、日本統治時代に開業した新北投駅で使われていた木造駅舎です。かつて北投温泉を訪れる人々を迎えた駅舎で、現在はMRT新北投駅近くの七星公園に保存されています。
木造の外壁や大きく張り出した屋根など、台北中心部に残るレンガ造りや石造りの建築とは異なる姿が特徴です。北投が温泉地として発展してきた歴史を現在に伝えています。
夜になると駅舎が照らされ、木造建築ならではの落ち着いた雰囲気に包まれます。MRT新北投駅のすぐ近くにあるため、北投温泉の散策とあわせて訪れやすいスポットです。
| 住所 | 台北市北投區七星街1號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 10:00~18:00 屋外からの鑑賞は終日可能 |
| 定休日 | 月曜日 |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 新北投駅(旧駅舎)(北投区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
ライトアップされた新竹州庁(新竹市政府)
新竹市中心部に建つ新竹州庁は、日本統治時代に建てられた官庁建築です。現在も新竹市政府の庁舎として使用されており、歴史的な建物が街の行政を担い続けています。
赤レンガと石材を組み合わせた外観が特徴で、洋風建築を基調としながら屋根には瓦を用いるなど、和洋折衷の意匠が見られます。正面玄関のポーチや左右に配された塔屋も印象的です。
夜になると建物がライトアップされ、赤レンガや窓、正面玄関などが暗闇の中に浮かび上がります。新竹駅からも徒歩で巡ることができ、日本統治時代の建築が現在の街の中で使われ続けている姿を見ることができます。
| 住所 | 新竹市北區中正路120號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 終日開放 |
| 定休日 | なし |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 新竹州庁(新竹市政府)(北区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
時計塔が印象的な夜の新竹駅
新竹駅の現在の駅舎は、日本統治時代の1913年に完成しました。100年以上が経過した現在も現役の駅舎として使用されており、新竹を訪れる人々を迎え続けています。
左右対称に広がる外観とアーチ状の窓、中央にそびえる時計塔が特徴。歴史的建築として保存されているだけではなく、現在も多くの乗客が利用する駅として街の日常に溶け込んでいます。
夜になると外壁がライトアップされ、時計塔やアーチ窓が暗い空を背景にくっきりと浮かび上がります。駅前を行き交う車や人々の姿も加わり、100年以上前の建築と現在の新竹の日常が一つの風景の中に重なります。
| 住所 | 新竹市東區中華路二段445號300 地図はコチラ |
| 営業時間 | 終日開放 |
| 定休日 | なし |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 新竹駅(東区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
夜の台中に明かりが灯る宮原眼科
台中駅から歩いて数分の場所にある宮原眼科。日本統治時代の1927年に宮原武熊によって開院された眼科医院で、現在も「宮原眼科」の名前を残しています。
歴史ある建物を生かしてリノベーションされ、現在はスイーツや土産物などを販売する人気スポットとして活用されています。日本統治時代の建物に新しい役割を与え、現在の台中を代表する観光スポットの一つになった例です。
夜になると建物に暖かな明かりが灯り、周囲の街明かりとともに独特の景観をつくります。近くには旧台中駅舎もあるため、台中駅周辺を歩きながら2つの日本統治時代建築を巡るのもおすすめです。
| 住所 | 台中市中區中山路20號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 10:00~21:00 屋外からの鑑賞は終日可能 |
| 定休日 | なし |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 宮原眼科(中区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
ライトアップされた旧台中駅舎と現在の台中駅
台中駅前に残る旧台中駅舎は、日本統治時代の1917年に完成した2代目の駅舎です。赤レンガの外壁と白い帯状の装飾、中央にそびえる時計塔が特徴で、長年にわたり台中の玄関口として利用されてきました。
2016年に鉄道の高架化によって現在の台中駅が開業し、旧駅舎は駅としての役割を終えましたが、歴史的な建物は現在も保存・活用されています。夜になると赤レンガの駅舎が照明に照らされ、背後には現在の台中駅が浮かび上がります。
約100年の時を隔てた新旧の駅舎を一度に眺められるのが、この場所ならではの魅力。日本統治時代の建築を保存しながら、そのすぐ隣で現在の鉄道が動き続ける、台中ならではの夜景です。
| 住所 | 台中市中區臺灣大道一段1號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 平日:11:00~21:00 土・日・国定連休:10:30~21:30 |
| 定休日 | なし |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 旧台中駅舎(中区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
夜の台南でライトアップされる林百貨
台南市中心部に建つ林百貨は、日本統治時代に誕生した百貨店です。実業家の林方一によって創立され、当時としては先進的だったエレベーターを備えるなど、近代的な商業施設として台南の街で親しまれました。
戦後は長く百貨店として使われていない時期がありましたが、修復を経て2014年に再び百貨店としてオープン。現在は台南の商品やオリジナルグッズなどが並び、歴史建築そのものを楽しめる人気スポットになっています。
夜になると建物全体がライトアップされ、レトロな外観が暗い空に浮かび上がります。屋上からは周囲の街並みを眺めることもでき、日本統治時代の面影と現在の台南が重なる風景を楽しめます。
| 住所 | 台南市中西區忠義路二段63號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 11:00~22:00 |
| 定休日 | - |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | ハヤシ百貨店(中西区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
ライトアップされた旧台南州庁(国立台湾文学館)
台南市中西区の中心部に建つ旧台南州庁は、日本統治時代の1916年に完成した建物です。かつて台南州の行政を担った庁舎で、日本統治時代終了後も台南市庁舎などとして使われ、現在は国立台湾文学館として活用されています。
曲線美を取り入れた華やかな外観が特徴で、赤レンガと白い装飾を組み合わせた重厚な姿が印象的です。100年以上前に建てられた建築が修復され、現在も台南中心部を代表する建物の一つとして大切にされています。
夜になると建物がライトアップされ、昼間以上に外壁の装飾や立体感が際立ちます。周辺には旧台南合同庁舎や林百貨もあり、日本統治時代の建築を巡りながら夜の台南を歩くのもおすすめです。
| 住所 | 台南市中西區湯德章大道1號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 9:00~18:00 屋外からの鑑賞は終日可能 |
| 定休日 | なし |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 旧台南州庁(台湾文学館)(中西区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
夜空に塔が浮かび上がる旧台南合同庁舎
台南市中西区、湯徳章紀念公園のロータリーに面して建つ旧台南合同庁舎。日本統治時代の1930年に街を見張るための塔として造られ、その後増築されて合同庁舎として使用されました。
建物で特に目を引くのが、空へ向かって高く伸びる塔です。修復工事を経て現在の姿となり、現在は消防史料館として内部が開放されています。すぐ近くには旧台南州庁もあり、台南中心部に残る日本統治時代の建築を徒歩で巡ることができます。
夜になると塔を中心にライトアップされ、暗い夜空を背景に建物のシルエットが浮かび上がります。横方向に広がる歴史建築が多い中で、高さを生かした夜景を楽しめるのが旧台南合同庁舎ならではの特徴です。
| 住所 | 台南市中西區中正路2-1號 地図はコチラ |
| 営業時間 | 10:00~16:00 屋外からの鑑賞は終日可能 |
| 定休日 | なし |
| 入場料金など | 無料 |
| 夜景スポット情報ページ | 旧台南合同庁舎(中西区の夜景)営業時間や駐車場情報など |
今回紹介した建物は、いずれも日本統治時代に建てられ、長い年月を経て現在の台湾に残されているものです。現在も駅として利用されている新竹駅、行政機関として使われる新竹州庁、商業施設として生まれ変わった林百貨や宮原眼科など、その歩んできた歴史も現在の役割もそれぞれ異なります。
夜景FANが特に伝えたいのは、これらが単に「昔の建物」として残っているだけではないということです。丁寧に修復され、新しい役割を与えられ、時には美しくライトアップされながら、現在もそれぞれの街の風景の一部として大切に受け継がれています。
その姿は、日本人にこそ一度見てほしい台湾の風景です。
そして、日本統治時代の建築に目を向けてみると、台湾旅行の目的地も台北だけではなくなります。新竹には新竹駅や新竹州庁、台中には旧台中駅舎や宮原眼科、台南には林百貨や旧台南州庁など、その街だからこそ出会える建物があります。
夜景をきっかけに台湾の歴史を知り、その建物をきっかけに新しい街を訪れる。台湾を訪れた際は、夜の街に残る歴史建築にも目を向けながら、台北から少し先の街へ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
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中村勇太
夜景写真家/夜景ジャーナリスト日本夜景オフィス株式会社代表取締役。日本と台湾を取材する夜景写真家。夜景コンサルタント®。夜景情報サイト「夜景FAN」編集長。夜景撮影セミナー講師、ガイド・解説、テレビ・ラジオ番組出演、記事執筆、企画監修等、夜景に関することであれば何でもお任せ下さい。
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| 配信日 | 2026年10月01日 13:27 |
| 更新日 | 2026年10月01日 13:44 |
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